・一美だった。

泉は自転車を降りる。

「・・・一美」

一美は何かを決意したかのように引き締まった顔つきをしていた。

「泉・・話をしましょう。」

二人は駅裏の公園のベンチに座る。

辺りは人の気配もなく静けさが増し続ける。

「泉・・、私もね、家に帰れないのね」

泉は一美の言葉を黙って聞く。

「私も連れて行ってくれない?」

少し考えて
泉は首を横に振る。

「どうして?、私だけ残していくの?、私、もう一人ぼっちは嫌なの」

辺りは暗くなり、駅近くとはいえ全く人影はなかった。

二人はその点で安心しきって声の大きさを気にしないでいた。

・・が、

二人に急に光が照らさた。