・・泉は下を向いたままだった。

「泉!!はっきりしなさい!」

泉の父は勢いよく立ち上がり再び腕を上げた。

それを一美の父が止める。

「まあまあ、お父さん。今ので分かりましたよ。泉君ははっきりと自分の気持ちが決まっていないみたいですな。もちろん、決まっていても結婚など出来る年でもありませんがな。決意や情熱が感じられなければ遊びということです。」

それを黙って聞いていた一美が、声を上げて泣き出してしまった。

場は収拾のつかない事態になった。

その日は、それ以上、話すことも出来なくなりそれぞれに解散した。

一美は泣き崩れ部屋に篭もった。


泉は家に帰り母親も交え3人で話す。

「あんた何をかんがえてるの?」

母親が父親とは逆に冷静に聞く

「俺・・・、もっと遊びたい・・」

泉がか細い声で申し訳ないように下を向いて言う。