大嫌い[短編]

『だけど今更改まって
好きなんて言えなくて…
気付いたら今のまま
時間が過ぎていって…
姫香に軽いとか思われても
しょうがないよな！』


と言って苦笑いした
拓を見て首を振った。


『本当はずっと
好きだったんだ。
って姫どうした？！』


私は気付いたら泣いていた。

どこまで馬鹿なんだろう。
最初から素直になってれば
拓をこんな悲しい顔に
させないですんだのに…


「ご、めん…ね…
本当に…ごめんなさい…」

『俺、本当に最低だな…
ごめんな、姫香…』

「ち、違う…っ。
私も拓が好…っ。」



私が好きと言い終わる前に
拓に抱き締められた。


『ごめんな、姫香。』


そう言って触れるだけの
優しいキスをしてくれた。