「実はあたし、テツの事好きだったんだよね」
のどの奥まで冷たい空気を吸って
笑顔で言う事が出来た。
その時の二人の困惑した顔…。アミなんか、歩みを止める位動揺していたっけ。
結果は勿論「ゴメンな」だったけれど
「分かってる。
…ありがとう、振ってくれて」
あたしはこれを求めていたのか って位、スッキリした。
泣く事もなく教室に現れたあたしを、座ったり立ったりと落ち着かない春基が迎えてくれたんだ。
そして、「やけ食いするなら付き合うぞ」とお好み焼きに誘ってくる春基に
「そんな事よりデートしない?」
と妖しく微笑んだ。
「えぇ!?何?これも夢?」
両頬にゴツゴツした手を添えてテンパる彼を無理やり連れ出し
今に至るのだった。


