右の耳に髪をかけながら席を立つ。



「戦闘態勢?」



「勿論」



やる気を出したい時にだけするしぐさに、やっぱり彼は反応する。




「…頑張って振られてきな。待っててやるから」




そうは言ってくれたのだけれど




彼も不安なんだろう。



きっと

テツがあたしの事を好きだと言ってくるかもしれない、0.何パーセントかの確率を気にかけているのだろう。


バカだな。



そんなのあるわけないのに。




それでも心なしか暗くなっている春基に




「ねぇ」



言ってあげるんだ。