確かに、そうかもしれない。
今のあたしは 別の恋愛を探しても、きっと
またテツの事を思い出してしまうだろう。
…思い出に、出来るだろうか。
ムリだと言う前に
出来る事を全てやってからでも遅くはないんじゃないか?
「どうすればいいかな?」
今度はムキにならずに聞く事が出来た。
切実に、彼に頼るのも良いのではないかと思ったから。
「やっと頼る気になってくれたんだ」
ニヤリと笑う彼。
何故か心臓が また跳ねた。
そんな事に気づくはずもない春基は
さっきのようにあたしを前向きにしてくれる。
「4つの糸の話し、前にしてたよな?
ぐちゃぐちゃに絡まってほどけないって」
コクリと頷く。
それを見て満足そうにしたかと思うと、顔をあたしの目の前に近づけて。
自信たっぷりといった声でこう囁いた。


