【詩音×愛祐実】スキをちょうだい~亜依編~



そっか・・


虹那ちゃんと楓くん、うまくいくといいなぁ。


二人のラブラブを想像したら

「どーする?」

不機嫌そうな顔で聞いてくる颯太くんに


「このままデートしたい」


なんて言えるはずもなく。


でももっと一緒にいたいよ・・


「・・・」


中々答えが出ないあたしにしびれを切らした颯太くんは


「言っとくけど。絶叫系は駄目だから」


そう言ってあたしの前に手を差し出してきた。


これって・・


「別にはぐれたいならいい」


素っ気ない口調で

もちろんあたしを見てないけれど。

でもそんなのよりも颯太くんと手を繋げる事が嬉しくて

「ありがとう」


ぎゅっと差し出してくれた手を強く握ってみる。



大きくてあったかい、颯太くんの手。

こんな事でご機嫌になっちゃうあたしって単純?


ううん、単純でいい


「あたしね、行きたい所があるんだ」


「おい!」

さっきよりも強く颯太くんの手を握り締めて
中々進まない人ごみの中に再び入って行った。