AIR




―――――


「まーゆ、あんた遅刻?」



教室に入るなり、咲がとんできた。
やっぱ気付いてたか…


「ん、寝坊した。」

「やっぱりね。」



やっぱりって…

確かに寝坊は多いけど…



騒々しい教室のお陰で、私の目は素晴らしいほど覚めていた。


いつもは睡魔に襲われる数学の時間に寝ないくらいに。






「まーゆっ、帰ろ!」


いつもの通り、咲が一緒に帰ろと言ってきた。


「いーよー。」


とりあえず返事を返し、ふと外を見た。




私の席は窓側だから、中庭が良く見える。