白のアリア

「…唯様の言うとおり、
夢片鱗は必ず実在するというわけでは
ありません。


神柱が仕えることもあれば、
出会わずに一生を終えるというときも
ありましたわ」





「それでも、彼等はずっと
待っていたんですよ。


唯様、あなたを…」




「…うそ…」



そんな素振り、全然見せなかったのに…。




「…彼等にとって、あなたは特別な方。


唯様が夢片鱗であるかは、定かでは
ないですけれど…


彼等には誰が仕えるべき、守るべき人なのか
きっとわかっていらっしゃいます」




だから、大丈夫ですわ。



あなたのことは、きっと皆さんが
守ってくださいます。



きっと、帰れますわ。




そういって、フィラさんは微笑んだ。




私はその瞬間、ぽろぽろと涙をこぼした。





「…ふっ…ぅ…」



悲しいんじゃない。




嬉しかったんだ。




みんなが、私を信じて、
守っていてくれることが。




ずっと、みんなが私を待っていたんだと。




そう思うだけで、私は心が熱くなるのを感じた。




フィラさんは、しゃがみこんだ私の背中を
さすってくれた。




「…フィラ、さん」




「なんでしょう?」




「…わたしっ…、私、みんなに会いたい…!

レインに…シルに、フィーネちゃんに…
会いに行きたい…!」




強くそういうと、フィラさんは優しく笑んだ。





「ええ、会いに行きましょう。唯様」