白のアリア

その日から数日。




あれからレインとシルから連絡はなく
途絶えたまま。



「清杯の儀が終わるまでは、
帝空国に行かれないほうが
よろしいですわ」



フィラさんがそういったので
私はもう少し残ることにしたのだけど。




さすがに1週間も連絡がないと
不安になってしまう。



「…大丈夫なのかな」



空を見つめながらふうっとため息をつく。




「ふふ、大丈夫ですよ。
唯様が思うよりずっとずっと、
お2方は強いですから」



「…そう、ですよね…」




納得したつもりだったのに
妙に心の奥ではもやもやが残る。



そしてもう一度、茂みを見たときだ。



「あ…っ」



あの深緑色の狼が
またこちらを見つめていた。




ただじっと、動くこともなく
私の目を。




私も、目がそらせなかった。




すると狼は茂みの奥へと
走り去ってしまう。




私は衝動的に
体が動いて、狼を追いかけていた。



「唯様!?」



「ごめんなさいっ、すぐ戻ります!」