次の朝の第一声、聞こえたのは
誰もが目を覚ますような獰猛な声。




「ごぅらぁぁぁ!!!!
待たんかい、この変態エロガキィィィ!!」




…ん。なに?



ぼんやりとして辺りを見ようとすると




ドダダダダダ!!!




猛スピードで床を駆け抜ける音。




ドガシャンッ、ガラガラ…




大きな音の後、一瞬音がなくなって
また崩れる音。




…地震!?



不安になって飛び起きれば
そこは昨日の縁側。




「あ、寝ちゃってたのか…」



見れば体には毛布がかけられている。



…レインが、かけてくれたんだ。



そう思ったら顔がほころんだ。



「にー」


「あれ?猫!どうしたの?」



抱き上げようとすると
また大きな爆音。



「な、なんなのさっきから!?」



地震…にしてはあたりはあんまり揺れてない。



なら、盗賊とか、敵とか…!



ひょっとして、影が来たんじゃ…




「逃げろッ、ユイ!」



「は?」



いきなり曲がり角から出てきたシルは
叫ぶなり私をかばうようにそのまま勢いあまって
転がった。