白のアリア

「寒……」




この世界の気候のことは
よくわからないが



寒いと感じるところを見ると
おそらく秋か冬。



薄い服にカーディガンだけでは
なんとなく物足りない気持ちにもなった。




バサッ。







「…え?シル?」



見ればシルのコートが
私にかかっていた。




「…んな寒そうなカッコしてんな。

見てるこっちが寒くなる」



「…ご、ごめん。
でも、あの、シルはいいの?」



「…おまえと違って慣れてるからな」




そういったけど、かすかに
肩が縮こまっているのが見えて。




私はぼんやりと思った。





…やっぱり、気のせいじゃなかった。








「…ありがとう、シル」





やわらかく微笑んだその顔に
シルは顔を真っ赤にした。





「シル…?どしたの?顔赤いよ?」




「…なっ、なんでもねぇよ!」




「はいはい、わかったわかった」




そういいながらかすかにシルの
ぬくもりの残るコートをそっと
握り締めて私はまた微笑んだ。