白のアリア

「では自己紹介からはじめますわ。


私はフィンフィラ。
『月の夢巫女』という異名を持つ
虹空の入り口の番人をしております」





「あなたが、フィラさん…」




長くつやつやとした黒髪を
一部左右からとって結わえ、
その先から飾りがこぼれている。





服は姫のように美しく
かわいらしくてピンクと赤、白で
あしらってある。





そして瞳は…
月のように、金色で……





「…つき……」




フッとよぎったのは、
あの夢妃の瞳。




「…どうかされまして?」




「い、いえ。なんでもないです」




否定した私を見てほうっと息をつくと
フィラさんはまた話し始めた。




「先ほど『夢見』に堕ちていたとき
何があったのか、話してくださいます?」




「…『夢見』って、なんですか?」






「呼び出した本人を一時的に
昏睡状態におとし込んで自らの世界に
意識を呼び寄せる魔術のことだ。


幻術使いとか使い魔とか
そういうのに手慣れてなきゃ難しい」