白のアリア

引きずり込まれるような感覚。





足を通じて、
下へとつながっている白い糸。





…さっき、足を擦られたような感覚は、
これだったんだ…。





やがてそこへと着いて辺りを見ると
シルもレインもいなかった。




「…ここは、どこなんだろう」





『知りたいか?』




「…!?だれ・・・?」




振りかえれば
うしろには銀色の髪をした
長髪の男の人がいた。




左目には包帯が巻かれていて
斜めに鳥のような仮面が掛けられている。




服装は着物のように着崩されたものだった。




背中には、真っ黒な翼。




その翼に映えるように、
――――まるで黒い闇夜に光る月のように光る



金色の瞳があった。





「…あなたが、私をここに引きずってきた人?」




『そうだと言ったら?』




「…理由を聞きたいの」




その言葉に男の人はにんまりとした笑みを
口元に浮かべてあぐらをかいた。




『…ま、ちょっとした取引を
申し込みに来ただけだよ』





「取引…?」




『基の世界に帰りたいんだろう?』




…どうして知ってるの。




そう思いはしたけど、
とりあえずその言葉は呑み込んだ。





「…でも、帰り方はわからないよ」