『移動魔法はかなりの魔力を消費します。



最大限の努力はいたしますが、私も傷を負う身。


もし筋違いの場所に落ちても、
ご理解をお願いいたします』




そんな言葉を聞いたのが数分前。



一応適当にうなずいたが、
まさか本当になるなんて。





「……何も帝空国のはずれに落とさなくたっていいのに」





視線の先には大きな白。
魔術の一つでも使えれば別なんだろうが・・・。




「…魔力なんてからっきしだし」



前に羽が出たこともあったけど、
あんなのはなかなかない。



それに飛ぶというよりは、力の結晶みたいな感じだ。




「どうしようかなぁ………」




「お困りみたいだね。
手ぇ貸したげよっか?」