白のアリア

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「さて、と」


ひとつ息をついて星さんに向き直る。



「星さん、お願いします」



「・・よろしいのですか。
何も言わずに、出ていかれて」



表情の変わらない彼女だけど、
少しだけ声のトーンが下がってる気がして。



「・・いいんです。
これ以上いると、きっと・・」



余計なことまで聞きそうになってしまうから。



でも聞くべき時が来るまでは
聞かないほうがいいんだ。



「ひでーじゃねーか、唯。
なにもいわずに出ていくなんて」



手当てしてやったんだからお礼くらい言えよな、



そう言いながら入ってくる夢妃。


「夢妃・・・!」



「失礼ですが、夢妃様。
手当てをしたのは私です」



「はは、そうだったな。悪ぃ悪ぃ」



そしてぽん、と手を私の頭に乗せた。




「・・焦んなよ、唯。
おまえがこれからどんな道を進んだって、
信じてりゃきっと正しい場所に着く」



「・・うん。ありがとう」




「・・夢妃は、これからどうするの?」




「あー、ミーモットの件でちっと懲りたからな。
しばらくはこっちで若頭としてまた書類作業だ」




「けど俺はまだあきらめちゃいねーからな。
まぁ、別の方法を考えるさ」



「・・そっか。頑張ってね。
何か協力できることがあったら、言って?

また手伝いに来るから!」



「ん。よろこんでそうさせてもらう」



なごんでいると、星さんがやってきて。



「唯様、そろそろお時間です」



「あ、はい。
・・それじゃあね、夢妃」



「ああ。
・・んな顔すんな。
心配しなくたって、また会えるよ」



何も言ってないのに、泣きそうなのまで
見透かされた。




「・・もう、夢妃ってば・・・」



微笑んでいると、だんだん2人の姿が薄れて。




やがて、見えなくなった。