白のアリア

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「…チッ…」



捕らえられたままの夢妃は
舌打ちしながら鎖をはずそうと試みる。




先ほどから何分たったのか。
いくら星が一緒だろうと唯が逃げ続けるのにも
問題がある。



…それに、あいつが嘘をつかないわけがないのだから。



唯はきっと、信じてしまうだろう。




「…くそっ」




こんなことなら、
早く返してやればよかった。



いまさらながらに後悔する。





…目がかすんできたな…。


血を流しすぎたか……



神に等しい色羽の大切な子を、
巻き込んだ代償なのか。



自分も何もせず、こうして朽ちていくんだろう。



別に自分はいい。



終わることのない命なら
いっそ終わらせてくれたほうが。



…けれど、唯が傷つくのだけは。





悔しくて、歯をかみ締めたときだ。




ギィ……。



「…!
おまえは……」




さびた扉から現れた、
真っ白な服の少年。



フードをかぶっていて、顔は見えない。



その背には、大きな翼。





「…お久しぶりです、夢妃」



フードをとって、微笑む。



左右別色の瞳が、あらわになった。