白のアリア

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「……」



パチ。



目を開いた子供は虚ろな顔で
ぼうっと鉄格子のはまった天井を見る。



手足につながれた鎖にかまわず
天井の外に飛んでいる、鳥を見ていた。




その背には、白く大きな、羽。




「……来た」



そういって、ほんの少しだけ
口の端をゆるめた。




少しだけたってからまた座り
目を閉じる。






「……朧(おぼろ)……」






かすかにそうつぶやいて、
子供は再び寝息を立て始めた。