白のアリア

------




「唯……」




死んだような声で
重く口にする。




薬で眠っているのか
ベッドに横たわる姿は
とても記憶を失った人間には見えない。




「どうして、こんなことに
なっちゃったのかなぁ…」





「…誰のせいでもないだろ。

いろんなことが重なっただけだ」




再び、大きなため息が漏れた。





「…忘れちゃったのかなぁ、ほんとにっ…」



徐々に涙声になりながら
フィーネの声が震えた。




「…忘れちゃ、やだよ…っ。
唯ちゃんっ…」




眠る唯のほほに、静かに水滴が落ちた。





悲痛で切ない言葉に
シルもレインも何かを感じているようで。




「…唯っ…」




会えなかった日々のことを思えば
こんなの痛くもないはずなのに。




一度心に入り込んでしまった唯という存在は
こんなにも俺たちの心を支えてくれてたなんて。





「…くそっ…」




また、何もしてやれないなんて…。




すると。




バタンッ!!!