白のアリア

この人は、不思議だ。




私が思い悩んでいることを
いとも簡単に溶かしてしまう。





とくにこのやさしげな笑顔が
どこか安心感を与えてくれる。




何も言っていないのに
この人は私の心を癒してくれる…。



まるで太陽のような人だ。




その妙な安心感が
私がもう少しここにいたいと思ってしまう
理由なんだろうか。




「…あの、私は、
元に戻れるんですか?」




ずっと疑問に思っていたこと。



帰りたくないわけではないが
ここにいたいとは思ってしまう。



だから、帰りたいと思ってるうちに
聞いたほうがいいと思った。




「…彼ら次第ね。

やっぱり、帰りたいって思う?」




「え、ええ!?


…そりゃぁ、帰れるなら…。

でも、ふつうはそう思うものなんじゃないですか?」





「…残念だけど、
私はそう思ったことないわ。一度も」



また、哀しそうな表情。



…なんなんだろう。



2人きりのはずなのに。



この表情を見るだけで、
まるでここにいるのが
この人たった一人のように思えた。