「…忘却術、か」
城の中庭、
それも誰も来ないような草むらで
1人、ソルジエはこぼす。
今彼は唯のいる病室から離れ、
1人の時間を作っていた。
…というよりも、唯の病室にいる理由が
なくなったからだ。
「…まさか本当に無くしてしまうとはな…」
目覚めたあと、唯は
ここはどこなのか、俺たちは何者なのかと
しきりにたずねてきた。
その言葉に俺を除いた4人は動揺するばかりで。
おまえは病気にかかっている。
だからその治療と療養のために
ここにいるのだ、
私たちはその特別な医師だ。
それだけ、伝えた。
あいつのための嘘。
真実を知ったところで信じはしないだろうし
また振り出しに戻るだけだ。
今彼等はその現実を受け止めきれない様子で
同時に、その術の解縛法を探していた。
ソルジエにとっては想定内の範囲であったし
なによりこのことは言わないと
あの鴉と約束した。
だけど。
いくら真実を知っていても
この現実はあまりにもむごい。
唯だけが心の拠り所であるのに
その唯が俺たちの存在を忘れるなんて。
「…唯……」
いつもの無表情とは違い、
とても愛しそうな表情を浮かべて。
ソルジエはそっと目を閉じた。
城の中庭、
それも誰も来ないような草むらで
1人、ソルジエはこぼす。
今彼は唯のいる病室から離れ、
1人の時間を作っていた。
…というよりも、唯の病室にいる理由が
なくなったからだ。
「…まさか本当に無くしてしまうとはな…」
目覚めたあと、唯は
ここはどこなのか、俺たちは何者なのかと
しきりにたずねてきた。
その言葉に俺を除いた4人は動揺するばかりで。
おまえは病気にかかっている。
だからその治療と療養のために
ここにいるのだ、
私たちはその特別な医師だ。
それだけ、伝えた。
あいつのための嘘。
真実を知ったところで信じはしないだろうし
また振り出しに戻るだけだ。
今彼等はその現実を受け止めきれない様子で
同時に、その術の解縛法を探していた。
ソルジエにとっては想定内の範囲であったし
なによりこのことは言わないと
あの鴉と約束した。
だけど。
いくら真実を知っていても
この現実はあまりにもむごい。
唯だけが心の拠り所であるのに
その唯が俺たちの存在を忘れるなんて。
「…唯……」
いつもの無表情とは違い、
とても愛しそうな表情を浮かべて。
ソルジエはそっと目を閉じた。


