「…それで?
どうだったんだ、結果」





「それが……。
どうやら夢片鱗が色翼を発動したようで」






暗い部屋だった。





机の上の小さなランプだけがついていて
その机に両足を乗せるようにして
座っている青年。




夢妃だ。







「…ふーん。
ついに本領発揮か。


ま、これくらいしてもらわなきゃ
唯を狙う楽しみは無くなるしな」





楽しそうにそう言ったが
反対側にいるらしき男の雰囲気はよろしくない。






「…何を考えておいでですか。


我等は『最果ての鴉』。


出すぎた真似をしては
神の名に恥じる行為となってしまいます」





「だから、それが今さらなんだっつーの。

俺にとっちゃ規則とかしきたりとか
どうでもいんだよ。


もう【罰】は十分受けたはずだろ?
先代の犯した罪を、なぜ俺らが
引き受けなければならない?」






「じゃ、俺は出てくる。

適当に会議の結果は随時報告してくれ」




そういって、夢妃は出て行った。





あとには、男と数人だけが残される。




「…能力があるばかりの餓鬼が。

誇り高き我等一族に傷をつけおって……」




男はギリッと強く拳を握り締めた。