2人の子供がいた。





花畑で楽しげにはしゃぐその姿は
一見普通の子供のようにも見えて。




その背に生える『翼』以外は
何一つ普通の人間と変わらなかった。




その容姿のせいで
2人はずっと差別され続けてきた。





特異なものとして扱われ
当然他からは疎外され、隔離される。




…この花畑もまた、逃げないよう作られた場所だった。





2人はどんなときも共にいたし、
決して互いに離れることはなかった。




互いに相手を理解しえるのは、
自らしかいないのだと、そう知っていたからだ。






『ずっと、一緒にいたい』。




何も望まない。




私たちが望んでも何も手に入らないことなど、
わかりきっているから。






だから、せめて、これだけは。





…そんな小さな願いさえも、ある日突然砕かれる。






引き離された2人。




その数日後、世界は………