「どうしたんだ、レイン。


久しぶりに帰ってきたかと思えば…
血相を変えて私を呼び出して」




にこにこしながら話を
聞こうとするブラン王。




それに対し、レインの表情は
冷たかった。




「…さっき、ユイが
【白き厄災者】に連れ去られた」




「…夢片鱗が…?なぜ?」




「理由はわからねぇ。


けど、ユイの力を利用としている存在が
いることは確かだろ?」



色無以外にも、そんな勢力が
存在している。



今回の話は、その証明にもなる。




「…しかし彼女が夢片鱗であるという
確証は、まだないはずだ。


現に、色翼【シヨク】の発動も
見られないんだろう?」




色翼=夢片鱗であることを
一番に証明できる、白く天使のような翼。





さらりとそう言ってのけた
ブラン王に、レインは無性に腹が立っていた。




「…ユイは、夢片鱗だ」




「なにか言ったか?」




「…ユイは、夢片鱗だ!!!」



その大きな、強い言葉に
周りにフィーネ、シルも圧倒される。



ソルジエは少し目を開いてその様子を見ていた。




いつもと違う息子の様子に
少し首をかしげたブランは、




「…どうしたんだね?
いつものおまえらしくもない」