この世に生を受けて生まれてきた小さな赤ちゃんの耳たぶには

純粋な無色透明の水晶玉が付いている

『貴方に似てるって看護婦さんが・・』

『そうかぁ~~にてまちゅか?』

父親はでれでれで子供を抱き寄せる

赤ちゃんの名前は『真美』

真に美しくとママとパパが決めてくれた名前

生まれる2週間ほど前に決まったばかりだ

これからいろんな思い出作っていこうな・・・・・


パパとママは子のこの誕生を心から祝っていた

そして
 今まで感じたことのない幸せを責任を感じていた


この世の中の人々には耳たぶに心を映す水晶が付いている

寂しさを強く感じると水色

明るく健康的な毎日を送っているとオレンジ色

など


時間を掛けて出来上がった心模様が

他人にさえ見えてしまう世界なのだ

それに差別があったり関心があったりされる

生まれたての赤ちゃんの数年はこの無色透明

天使のような姿で居られるのだ


『真美がずっと元気で幸せで居られますように・・・』

夫婦は心からこの子を愛した