独房の鉄扉が開く。

灯りが差し込み、同時に部屋の中に足を踏み入れてくる男が一人。

「入るぞ、春夏秋冬」

入室したのは、端正な顔立ちの男だった。

美形と言って差し支えない。

しかし、その眼にはどこか影のようなものを感じさせる。

その身に纏うのは、純白に段だら模様の羽織。

新撰組零番隊組長、躑躅森隼人。

私の上官であり、私をこの新撰組零番隊本拠地、『屯所』の懲罰房に入室させた張本人だった。