零の狼-新撰組零番隊-

復讐に我を忘れる事もあるとはいえ、私は新撰組零番隊隊士としての自覚を持っている。

事件が発生したとなれば私憤をおさめ、任務優先で動く程度の分別はあるつもりだ。

サイレンの聞こえる方へ、私は走り始めた。

一七夜月さんも後に続く。

何だかんだ言った所で、彼も新撰組の隊士として行動はするつもりらしい。

…歓楽街へと近づいていく。

近づけば近づくほど、サイレンと赤いランプの物々しさが伝わってきた。

救急車、そしてパトカー。

相当数が歓楽街に急行しているらしい。

警察官、救急隊員、そして野次馬。

現場となった通りは、既に人混みでごった返していた。