零の狼-新撰組零番隊-

思想性質の違いはあるものの、私と六郎面さんに、実力的な違いはない筈だ。

彼の任務を引き継ぐ事に、足りないものがあるとは思えない。

「まぁいい」

嘲笑とも思える笑いを浮かべる六郎面さん。

「躑躅森のご命令とあらば仕方ねぇ。ここからの任務はてめぇらに任せるさ」

「……」

無言のまま頷き、私は彼の遂行していた任務の詳細を訊く事にする。

…私、一七夜月さんと順々に顔を見た後、六郎面さんは口を開いた。

「任務は…『威震志士(いしんしし)』の討伐」