零の狼-新撰組零番隊-

とにかく、こうしていても埒があかない。

「六郎面さん…躑躅森組長から…詳細は聞いていますか…任務の引き継ぎに来ました」

私は組長からの命令通り、六郎面さんが遂行中だった任務を受け継ごうとする。

しかし。

「解せねぇな」

彼は私達を…特に一七夜月さんを一瞥する。

「てめぇらみたいなヒヨッコを引き継ぎに寄越すとはな…躑躅森も何考えてやがるんだか」

組長である躑躅森さんを呼び捨てにするのも、隊士の中では彼だけだ。

組長補佐である糺さんと頻繁に揉めるのも頷ける。

「そいつはどういう意味だろうな?」

人斬り包丁を鍔鳴りさせて、一歩踏み出す一七夜月さん。

それを制するものの、私も一七夜月さんと同意見だった。