紆余曲折はあったものの、躑躅森局長の指示通りに新入隊士の一七夜月さんと合流が出来た。

これで任務は達成できたという事になる。

「よぉ、祝」

後ろから一七夜月さんが声をかけてくる。

呼び捨てだ。

しかも下の名前。

初対面の、しかも女性に対して下の名前を呼び捨てというのは、少々失礼に当たるのではないだろうか。

しかしそんな事で目くじらを立てるのもあまりに馬鹿馬鹿しく、私はそんな事は億尾にも出さずに振り向く。

「これからどうするんだい?何せ新入りなもんでな。右も左も分からない」

一七夜月さんに、癇に障る薄笑みはなかった。

本当に指示を仰いでいるらしい。