それ…おかしくない?
『寂しくないの?』
「はぁ?別に。で、作ってくれんの?」
本当に嬉しそうに聞いてくる叶に、頷くことしか出来なくて…。
『うん…、いいよ』
こくりと頷いた。
「やった♪あー、安心したら眠くなってきた」
『ね、叶のお父さんとお母さんってなにしてる人?』
「…んー?社長だけど」
『しゃ、社長っ!?』
眠そうに机に突っ伏しながらピースをしてくる叶に目を見開く。
『へえぇー…、だから忙しいのか』
「ん〜…、うん」
ウトウトと目を閉じて眠りの体制に入った叶の代わりに千秋君が口を開いた。
「ひめのお父さんが社長で、お母さんが秘書なんだって」
『そうなんだ。すごいねぇ…』
目の前の叶に手を伸ばして、触り心地が良さそうなハニーブラウンの髪の毛を撫でた。
長い睫毛を揺らして、気持ち良さそうな顔をする叶を見てから千秋君に視線を移す。
『叶…さみしがったりしてないの?』
「うーん、ないんじゃないかな?よく一緒に出かけてるみたいだから」
心配してくれたの?と嬉しそうに目を細める千秋君に、ボッと顔が赤くなる。
『…ち、違うもんっ』
「そうかなー?」
そうだよ!!
そんなことよりも、明日のお弁当の中身を考えなくちゃ!!

