「ふふっ、純の明日のお弁当は愛妻弁当かぁー」
『えぇ?なにそれ』
純の後ろ姿を見つめながら、にやにやと口元を押さえて妖しく微笑む希美。
「なぁなぁ!!」
ぽんぽんと勢い良く肩を叩かれて振り向けば、キラキラと顔を輝かせている叶。
えっ、………なに?
「俺にも弁当作ってきて!!」
『はあぁあぁあー!?』
なんで!?と大声で問い掛けると…
「弁当食ったことないから。食ってみたい!!」
…なんて、まだオッケーしてないのにかなりテンションが上がってる。
『食べたことないって…普通あるでしょ!?』
「いや、俺の親どっちも仕事で忙しくって。作ってもらったことない」
…なにそれ。
そんなことを平然と話す叶に眉を寄せてしまう。

