「…お前は?」
『えっ?何が?』
椅子の上であたしのほうに向きを変えた叶は、首を傾げた。
「好きな男のタイプ」
好きなタイプ…。
それはやっぱり決まってるでしょ!!
『王子様みたいな人!!』
「はぁ…」
目をキラキラとさせて話すあたしの横で希美が溜め息を吐いた。
「王子様〜?ははっ、趣味わりぃ!!」
『はい?どこが趣味悪いわけ!?』
「だって王子って白タイツにカボチャパンツじゃん。どう考えたって今の時代に合わねぇよ」
「あはははははっ!!」
ちっがーうっ!!
そういう意味の王子様じゃなくて!!
またしても、叶の言葉がツボに入ったらしく爆笑する希美と、べーっと舌を出す叶。
『だから!!王子様ってそういうことじゃなくてー!!』
「じゃなくて?」
『千秋君みたいな人を王子様って言うのっ』
頭が良くて、スタイル抜群で。かっこいいし優しいし、本当に完璧!!

