*莉愛*
「えー!?カレーかよ……俺うどんが良かった」
スプーンを片手にぷくっと頬を膨らませたワガママ男が千秋君を責めた。
「ごめんね。うどん売り切れだったんだよ」
『今寒いから人気なんだろうね』
その言葉を聞いた叶は少し不満げに「あっそー」と言って、カレーをひと口食べた。
どんだけ我が儘なの…。
「ねぇねぇ。叶ってさ、好きな人いないの?」
と、急に希美が言ってきたのは叶と千秋君が昼食を食べ終わってすぐだった。
「………なんで?」
「ん?いや、別に深い意味は無いよー♪」
当然、不審がる叶にニヤリと口端を上げながら言う希美。
いや、その顔は絶対なにかあるよ…。
「んー、そーだなー…」
椅子の上で体育座りをして、膝に顎を乗せたまま考え始めた叶に、3人の視線が集まる。

