「うぅ…食堂寒い…、寒くね?」
あたしの隣の椅子に座った叶は眉を下げ、制服の中に着ていたパーカーのフードを頭に被った。
『まぁね。でもあたしはまだ平気かなー』
「あたしも」
「うげーまじかよぉ」
確かに叶の肌はもともと白いけど、寒いのか尚更白く見える。
まぁ…冬だからね。
「俺寒いの嫌いなんだよ。……あったかいもん食いたい」
叶は制服の上に着ている、大きめのセーターを指の先まで伸ばしながら言う。
パーカーもセーターも着てて寒いとか…冷え性?
「叶さ、千秋君をパシるのやめようよ…、莉愛でも1人で頼めるんだから…」
『希美、それ失礼じゃない!?』
「今日はいいのー…手が冷たくて動かないから」
くた…と、元気なくテーブルに突っ伏す叶が今にも死にそう。

