『…っはぁ、はぁ…はぁー…。まったく!!』
肩で息をしながら叶を睨めば、ふんっと得意げに笑ったあと、ベンチに座った。
ほんっとに、自分勝手なんだからっ!!
あたしは頬を膨らませながらさっきまで叶と繋いでいた手を見つめる。
『……』
…とくん、とくん。
整えたはずの心臓がまた騒ぎ始める。
繋いだ手の先から…、
熱が集まってくるみたいにー…。
「どした?」
『っ、なんでもない!!』
びくり。肩を揺らしながら俯いていた顔を上げれば、
不思議そうに首を傾げる叶。
「早く食おうぜ」
『…あ、うん。そだねー…』
あたしは叶の隣に座りながら深呼吸をした。
はあー…。
…変なの。
自分の気持ちがよく、
…分からない。

