驚きすぎて叶を見つめたまま動けなくなったあたし。
そんなあたしを一瞬見たあと、視線をあたしの手に移した。
……?
な、なに?
『……っは、い?』
「じゃ、行くか!!」
にっと、口端を上げた叶がギュッとあたしの手を握ってきた。
え、えぇええぇえ~~!?
あまりにも驚き過ぎて叶と手を交互に見たまま、声が出なかった。
「レッツ、ゴォー♪」
『ちょっ、…え。速い速い速いっ!!』
叶はあたしの手を引きながらどんどん走っていく。
転ぶっ、転ぶー…!!
ときどき転びそうになりながらも、目的のベンチに着いたときには息がうまく出来なかった。

