「お前おっせぇんだもん、早くベンチ言って座りたいし」
むっとしながら叶を見ると、少し口を尖らせて拗ねるように言った。
『なにそれっ!!もういい、先行って。あたしゆっくり行くから』
ふんっと叶から顔を逸らして言ったあたしは、動かない叶を置いて歩き出した。
なんなのっ。
本当に叶って自己中っていうか、自分勝手!!
「…ちょっ、待てよ。怒ってんの?」
『別に』
慌てて付いて来たのか、くいくいとあたしの服の裾を引っ張りながら見上げてくる。
「怒ってんじゃん…」
『怒ってないってばっ』
本当は手に持ってるクレープ、握り潰したいくらい怒ってるけどね!!

