『あたしもイチゴクレープがいいっ』
「はぁー?俺がイチゴクレープだよ」
『お金払うのあたしなんですけどぉ!!』
頬を膨らませて叶を見れば、ムッとした顔で見上げてくる。
「俺バナナ苦手」
『あたしもバナナ苦手だけど』
「………」
あたしが言い返せば、むぅ~と唇をアヒル口にしながら横目でメニューをチラッと見る。
「…あの~、お客様。お決まりになりましたか?」
あ、店員さんが焦ってる。
「…じゃあイチゴクレープのトッピングはこれで、アップルクレープのトッピングはこれ」
「かしこまりました」
……ん?
アップルクレープ?
あたしは店員さんの後ろ姿を見送りながら首を傾げる。
『アップルクレープってなによ!?誰食べるのっ』
「お前が食うの。アップルクレープ♪」
『…はあぁ?』
イチゴクレープ食べたかったのに…。
叶のばかぁっ!!

