「……あっ、ここだよ。ここ!!」
プレゼントを眺めてると、あたしの服の裾をくいくい引っ張ってくる叶。
前を向けば、可愛い雰囲気のレンガで出来たクレープ屋さん。
『ここ!?可愛い…』
横にいる叶を見下ろせば、返事の代わりに上目遣いの笑顔だけが返ってきた。
「俺イチゴクレープ!!で、ラズベリーソースと生クリーム付き!!」
『…っあ、ちょ…待ってよー!!』
呪文のように早口で言う叶は、目を離した次の瞬間にはお店の中に入って行っていた。
「遅いっ、お前はぁ…んーと、バナナクレープな!!」
お金払うのはあたしでしょ!?
しかも!!
あたしもイチゴクレープがいいんですけど!!

