ふわふわした髪を揺らして振り向いたあいつは、目を見開いた。
「叶!!痛いじゃんか、女の子にそんなことしちゃいけないんだからねー」
『うっせ、そこどけよ』
「口悪っ!!」
スタスタと理科室に入っていく俺の後ろを頬を膨らませて莉愛がついて来る。
なんで違うクラスのあいつがいるかって言うと、理科は2クラス合同だから。
理由は、知らない。
近くの空いてる席に千秋と座れば、あいつも俺の横にストンと座った。
『あ?なにお前、希美は?』
「今日風邪で休んだのー」
『だからって俺の隣座んなよ。千秋の隣行け』
「超失礼なんですけど。千秋君の隣座りたいけど、今日は叶に頼み事あるの!!」
…頼み事?

