『授業聞いても頭良くなんねぇし』

「だって、ひめ授業中寝てるじゃん」


右頬を膨らませて千秋を見上げれば、クスッと微笑まれてパーカーを渡された。


『さんきゅー、でも俺寝てないよ。起きれなくなるし。少し意識残して寝てる』

「えぇ?それ寝てるほうに入るんじゃないの?」

『入んない入んない』


そう千秋と話しながら理科室のドアを開ければ、誰かがドアの前に立ってて入れない。


…だれ、邪魔。


そう思ったのは一瞬で。


ミルクティー色の髪を2つに結んでるのはあいつしかいない。


ニッと口端を上げた俺は、目の前にいるヤツの髪を引っ張る。


「…!?いっ、たー…」

『邪魔なんすけど』