眠り姫は・・・男の子!?



『私服姿の千秋君を見れてあたし幸せ…』

「へ?そう?ありがとう」


頬を染めてうっとりと呟けば、ふわりと照れたように微笑まれた。


「莉愛ー…1人で走ってくなんてずるい、よ?……千秋君じゃん」


コンビニの自動ドアが開いて、熱気とともに希美が怠そうに入ってきた。


「あ、希美ちゃん」

『ね、希美!!千秋君の私服だよ!!超かっこよくない!?』

「ほんとだー、かっこいいね」


ほんと千秋君って完璧。と口端を上げて微笑んだ希美は、近くにあったジュースとおにぎりを持ってレジに向かって行った。


「あれ、叶もいたんだ。なに買ったの?」

「ん?かき氷!!ちなみにイチゴ味な」

「へぇ、美味しそう」


叶は自慢げにレジ袋からかき氷を見せて、にぃっと微笑む。


…ん?


……んん!?


『あぁぁあっ!!叶のばかぁっ!!』

「お前が千秋に夢中になってる隙に買っといた♪」


…あたしのアイス、買われちゃった。