『ちょうだいよ!!いいじゃんっ、可愛い子同士おそろいってことで♪』
「あははー、阿呆な子がいるんですけどー普通に無理ー」
『…むぅ、…ケチ!!』
そう言って綺麗なハニーブラウン色の髪をぐしゃぐしゃと乱せば、キッと涙目で睨まれた。
「っにすんだよ!!ぐしゃぐしゃなったじゃねーかよ!!」
『ちょっとー!!リボン取らないでよ!!』
ギャーギャー争うこと、10分。
疲れ果てたあたし達はゴロンと屋上の地面に寝転がった。
『はぁー…』
「俺寝る」
『そ。あたし起こしてやんないからね』
「結構です。千秋が起こしてくれるから」
ふぅん、と口を尖らせて叶を見る。
少しぶかぶかの白いパーカーのフードを被って、あたしに背中を向けて丸まって寝ている。
『……うっ…!?』
ウサギ耳!!
ちゃっかりフードにウサギ耳がついていて目が釘付けになった。
しかも!!
ちょこんと小さくて丸い、ウサギの尻尾までついている。
そんなパーカーがあまりにも似合いすぎている叶が、一瞬女の子に見えてしまった。

