あたしはフェンスに寄りかかって座る叶の隣に体育座りをする。 『あたしにもそのスペアキーちょうだい?』 ちょうど叶が鍵をパーカーのポケットに入れるときに言えば、叶の動きがピタリと止まった。 「…やだよ。俺がどんだけ頑張ってケバいオバサン達に媚び売ったと思ってんの」 天使のような笑顔をあたしに向けながら、発せられるのは悪魔の言葉。 『…本当、あんたってサイテー…』 「あはっ♪」 どん引きしながら呟けば、可愛くぺろっと舌を出す叶。 うっ………可愛い。 これに先輩達も騙されたのね…。