『教えてってば!!』
「しぃー!!先生に怒られちゃうよ」
教室に戻る途中の廊下は誰もいなく、しん…と静かになっている。
構わず話し掛けてくる莉愛に、困ったように眉を下げる空。
『お願い教えて?』
「あ。着いたっ」
…ケチ!!空って意地悪!?
教室の前で膨れっ面になるあたしに、空は笑顔で振り向いて来る。
「行こ行こっ、まだ先生来てないみたい」
悪戯そうに可愛く微笑んだ空は、未だに不機嫌なあたしの手を掴んで教室のドアを開けた。
開けた瞬間にみんなの視線があたし達に集まったのは気付いたけど。
そんなことを気にしてる場合じゃない。

