「俺とひめは友達なんだ」
「そ。で、ひめっていうのは俺の名字ね」
『み、みょうじ…』
なんて羨ましい名字なの…。
「姫宮(ヒメミヤ)だから千秋はひめって呼んでんの」
『ふぅん…』
意外にも丁寧に説明してくれるヤツを見つめて考える。
『…ねぇ』
「ん?」
『その名字、あたしのと交換して!!』
「っはぁ!?」
だってだって!!可愛いんだもんっ。
お願い!!と目を輝かせてヤツに言えば、呆れたような視線をあたしに向ける。
「無理」
『ケチー!!』
ぷくっと可愛く口を尖らせ膨れれば、千秋君が慌ててフォローしてくれた。
「ほ、ほら!!莉愛ちゃん。あれだよ、2人が結婚すれば名字、姫宮ってなるからさ!!」
「だから喧嘩無し!!…ね?」と、満足そうに微笑む千秋君。
うーん…千秋君は天然?

