「…ぼく?」
『もっちろん!!何組!?同じ学年でしょ!?』
ぱちぱちと長い睫毛を揺らして瞬きする男の子は、不意に上を指差して口を開いた。
「僕の名前は空(ソラ)。クラスは莉愛ちゃんと一緒の5組だよ」
空って呼んでねぇ、と目尻を下げて笑う空に「うん!!」と微笑み返す。
「教室に入ったらさぁ、莉愛ちゃん叶の周りにいた女の子達のことすごい顔で見てたよぉ」
『えっ!!うっそ何それ…!!』
ガーン…としゃがみ込んでうなだれるあたしの隣に、空も座った。
「すっごい恐かったぁ」
『もー!!恥ずかしいから言わないで!!』
くすくすとあたしの顔を見て楽しそうに笑う空の肩を揺らして叫んだ。

