「あれ?ひめ何食べてるの?」
ふと、声がして振り向けば千秋君が希美の隣に座るところだった。
『あたしが作ったお弁当だよ』
「あー、そうだったね!!…わ。すっごい美味しそう」
叶が食べてるお弁当を見た千秋君は、ちらりとあたしを見てにこっと笑った。
「ごちそーさま!!」
……早っ!!
パンッと両手を合わせてそう言った叶。
その手の下にある弁当箱は空っぽ、なにひとつ入ってない。
「うまかった!!」
笑いながら大きな声で言う叶。
「でも、本当に意外だよな。こいつ何も作れなさそうなのに」
『あたしは何でも出来るもーん。超完璧なんだから』
「まぁ、確かに料理は認めてやるよ」
なぜか上から目線の言葉だけど…、
嬉しくて、嬉しくて…。
ついつい口元が緩んでしまう。

