「おい!!早くしろよっ、何分待ったと『はいはいはい、すみませーん』
希美のあとに続いて食堂に入れば、想像した通り
頬を膨らませて怒っている叶がいた。
文句の言葉を遮りながら隣の椅子に座れば、
無言であたしが持ってるお弁当をじーっと見つめてる。
その目はしだいに視線を上に上げてあたしを見る。
「ちょーだい」
ふわり、と目尻を下げて今よりも幼く微笑む叶の姿に、不覚にもドキッとしてしまった。
『う、うん』
さっきまで膨れていた姿はどこにいったのかと考えながら、切り替わりの早さにあたしは頬を緩めた。
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